慰安婦

なんと半年振りのBTIになってしまいました。このもの自体の存在をご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。前回の冬の真っ最中から一転、梅雨も明け猛暑の季節となりました。皆さん、いかがお過ごしのことでしょうか。

夏は破廉恥犯が増えます

夏といえば、暑い。皆さんの装いも夏に合わせて涼しげなものになりますね。そうすると発生しやすくなるのが「痴漢」です。気をつけましょう。でも「痴漢」で捕まるなんてもっとも恥ずかしいですよね。

不謹慎ではありますが、殺人事件の犯人として捕まるのはどうでしょうか。色々な理由からどうしようもなくて犯してしまった殺人もあるでしょう。情状酌量されるべき不幸な理由もあるでしょう。

しかし「痴漢」は理由なんかただの「欲望」でしかない。そんな「欲望」も抑えることが出来ないとても恥ずかしい破廉恥な犯罪です。そんな欲望むき出しの「破廉恥」な問題が『慰安婦』問題ではないでしょうか。

慰安婦問題

また、というか今度ばかりは全世界を巻き込んでしまったH君発言。そうです、従軍慰安婦発言です。参議院選が公示されて個人を非難することは問題があるかもしれませんが、非難します。

「慰安婦」問題は事実はわかりませんが、この発言はアメリカ政府を初め、近隣諸国、婦人団体などの批判にさらされていたことは事実です。

日本側は、軍隊による強制だったのか、国の主導による強制だったのかという証拠がないということで慰安婦問題をぼかしていますが、軍隊なんていうものはどこの国でも、都合の悪い公文書は殆ど廃棄しているのが当たり前、証拠が出てくるとは思えません。

臭い物にはふたをしろ

ちなみに沖縄県民であった私の母は、戦時中、本土(鹿児島)に疎開する際、本来ならば、魚雷で沈没させられた「対馬丸」のような民間人疎開船で疎開するのが筋ですが、祖父の仕事の関係で特別に軍艦で疎開したということです。

防衛省などの資料を調べてもらいましたが、この軍艦の名前は一切わかっていません。軍の機密事項で廃棄されたのだろうということです。つまり都合の悪いものには「臭い物にはふたをしろ」が当時の軍、国の考えだったのでしょう。まして「慰安婦」や「捕虜の生体実験」など後の世で非難されるべき問題に関する証拠は真っ先に廃棄されるべきものではないでしょうか。

国の強制の有無にかかわらず、慰安婦の存在が事実であるとして、日本政府を非難しているアメリカ議会の方が、妥当かもしれません。ただ、強制=国、軍などによる公務員の不法行為が証明されないと、今の日本の国家賠償法では損害賠償請求の提訴はできないと思われます。仮に、国家の強制が証明された場合にも時効の壁が立ちはだかっています。

時効の壁

国家賠償法第4条によると、国家への損害賠償請求権の時効には、民法724条を適用します。

① 被害者が損害及び加害者を知ったときから3年間行使しないときは、損害賠償請求権は時効によって消滅する。
② 被害者が公務員の不法行為であることを知らずに、そのまんまほおっておくと、その不法行為発生時から20年経過してしまうと、損害賠償請求権は自然に消滅する。

という規定になっているのです。

戦後70年近く経過してしまった現在、慰安婦たちは個人的に国家に損害賠償請求をしても門前払いを食ってしまうと言うことになるのではないかと思われます。つまり、慰安婦たちは日本の法律では金銭的には救済できないと考えるのが妥当でしょう。となると彼女たちを救済するためには、日本の国会が新たに法律を作り、行政、つまり政府がこの新たな法律に基づいて執行するしかないでしょう。

ただ、一つ疑問なのは当時を知っている軍人たちの発言が表に出てこないことです。なぜ彼らは発言しないのでしょうか。しかも、今回のH君発言で最も怒るべき人は、命をかけて国を守ろうとした大多数の軍人さんたちではないでしょうか?

H君発言

「銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、
精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、
慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。」

あのー、私はわかりませんが、H君。オマエは、そういうときは女が必要なんだー。バカヤローですね。女性を「性欲処理の道具」とみなすこの発言に怒りを感じるのは女性として当然です。しかし、男性諸氏はどうですか?

戦時下、国内には不安と焦りの中、愛する人たちと細々と生きていた若者はたくさんいたはずです。恋人と将来の約束をした若者だっていました。そんな彼らのささやかな夢を、たった一枚の赤紙が踏みにじるのです。召集された若者が、家族に送った手紙で最も多いのは「日本の為、お国のために命を捧げる」という言葉だそうです。これは、彼らが残された家族を心配させないために使った言葉だったのでしょう。

本心は、ほとんどの若者が「愛するもののために生きて帰りたい」ではなかったでしょうか。

慰安婦は必要か?

特攻隊に志願した青年たちも、純粋な若者であったはずです。「日本が戦争に勝てば、家族は幸せになれる」という思いだったでしょう。

確かに、広島の呉などは基地の周りには売春宿も多かった。しかし、そんな宿以上に、若者たちにうまいものを食べさせてあげたい、楽しい思いをしてもらいたいと思っていた食べ物屋などの店の方が多く存在していた。そんな食べ物屋のおかみさんを自分の「母」と思い大切にした若者たちも多かった。

彼らは当然、日本は大切ではあったが、それと同等、いやそれ以上に家族、愛する人が大切だった。

そんな純粋な当時の若者たちに「慰安婦」が必要だったのでしょうか? 慰安婦が必要だったのは、自分は戦地でも前線に出ないで指令だけ出していればいい、威張った、思い上がった、女性を人間と思わない、人間としてクズである「軍人」だけだったと思います。

家族や愛する人の幸せを信じて特攻で死んでいった当時の若者に「慰安婦」は必要でしたか? 死との恐怖と戦い南方のジャングルで泥まみれで戦った当時の若者に「慰安婦」は必要でしたか?

「性欲」の処理をすれば「規律違反」はなくなる?

「軍の規律維持のために、慰安婦制度は当時は必要だった。」

ということは、当時の兵隊たちは性欲の処理が出来なければ規律を守ることが出来なかったということですか? 当時の兵隊はひどい人間たちの集まりだったのですね、H君。オマエはそう言ってるんだよ、自分の発言の意味がわからないんでしょうかねー、H君?

このH君の発言は当時純粋に戦ってきた若者を冒涜する発言としか思えない。真面目に規律を守り、命令によって命を落とす。このような若者は数えられないほどいたはずです。

「慰安婦」の必要性

「人間に、特に男に、性的な欲求を解消する策が必要なことは厳然たる事実。」

それはわかりますが、それで「慰安婦」の正当性を言いたいのでしょうか? ほかに解消策はないのですか? 今の世の中でも、男性は全員そんなものを解消するためにいわゆる「ふーぞく」にいきますか? 私は行ったことないなー。行きたくもないです。

でも、H君はお金払って性欲の解消を沖縄駐留の米軍におススメしたようですね。開いた口がふさがらない。

「赤いくじ」

松本清張の作品に「赤いくじ」というお話があります。

舞台は終戦前後の朝鮮半島。戦争が終わり、米軍が進駐してきた。現地の日本人を統括していた旧日本軍の上層部は、進駐軍に取り入るために日本人女性による性的接待を画策する。

「米軍との親交を深めるためにおもてなしする」などともっともらしい理由をつけ未婚の娘さんはあまりにもかわいそうだということで、人妻達がくじ引きで対象者を決定する。結局、進駐軍は意外に紳士的で「女を寄越せ」などと要求はせず、日本人は無事朝鮮から引き上げることができた。しかし帰路の汽車の中で、引揚者たちはどこからともなく「日本人女性による性的接待計画」を知る。

その事実がなかったにせよ、くじをひきあてた女性たちは「娼婦」として見下げられた扱いをうけるように。くじをひきあてた中に、皆が憧れる美女で名士夫人の女性がいた。彼女の気を惹こうと必死だった軍の二人の将校。夫人はこのような仕打ちに疲れ切り判断力も鈍ってたところ、その将校のひとりに誘い出されて汽車を抜け出す。追うもう一人の将校。二人の将校にとって夫人はくじを引き当てたことだけで、一気に「高嶺の花」から「娼婦」に格下げされたのだ。「双方帰国せず朝鮮半島にて脱走、死亡」という軍の記録書の引用で物語は終わる。

これも「慰安婦」の一種ですね。こういうことは決まって「軍の上層部」の指示なんです。貧しい発想です。

日本男子諸君、言ってやりましょう、H君に。

「俺達は、そんな不潔で破廉恥な人間じゃない!!」

BRAIN TRUST INFORMATION  No.133

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