帰宅難民
先日の台風は凄かったですねー。今年は自然の猛威に脅かされる年になりそうです。皆さんいかがお過ごしのことでしょうか。
台風
台風の威力で、数日前の「中秋の名月」の感動などは、あっという間に吹き飛ばされてしまいました。ちなみに、「中秋の名月」=「満月」ではないところに注意です。今年の中秋の名月は満月でした。BRAIN の教室からも見ることが出来、あまりの美しさに涙が出ました(これはうそ)。
さて、その感動を吹き飛ばした今回の台風15号。こいつは、沖縄辺りに停滞したのち、太平洋上を北東にかなりゆっくり進みながら、太平洋の水分を大きく含み勢力を増し、あっという間の940hPaです。
こうなると、上陸した際に、大量の雨を降らせ、暴風は間違いなく周りの物体を破壊しながら進んでいきます。9月はじめに発生した台風12号で壊滅的被害を受けた和歌山県、奈良県、三重県をはじめ、直撃を受けた東海、関東、東北、北海道でも大きな被害が出ました。
日本橋へ行く
東京でも、半年前の東日本大震災のときのように「帰宅難民」も出たらしく、会社から台風の直撃を受けるから3時ごろに退社するように言われた社員が、渋谷駅で夜の9時過ぎまで鉄道の復旧を待っていたなどとTVのインタビューで答えていました。
渋谷・二子玉川間の路線バスは、普段は50分のところ4時間もかかったそうです。BRAIN が大雨洪水暴風警報が出たため休講にするという噂をどこかから小耳に挟んだ友人から
「迎えに来てよー」などとふざけた電話があったわけです。
「台風なのに行くわけないだろう」と返事をしたところ
「一杯おごるから頼むよー」と言われ、喜び勇んで迎えに行ってしまいました。
台風 vs EKワゴン
こいつは、あの東日本大震災当日にも電話してきて迎えを頼んだヤツで、あの日は三鷹と日本橋の往復で10時間かかったのでした。それにも懲りず、またお迎え要請です。
行きの三鷹から日本橋までは、首都高もすいていてスイスイ。帰りは首都高がすでに渋滞で動きそうになかったので、一般道ルート、靖国通りから青梅街道を走り三鷹へ。時間的には普段の1.5倍といったところでした。
途中、道路上には暴風によって飛ばされてきたものが、すでに散乱状態でした。特に目立ったのが驚くべきことにビニール傘でした。あれは危険ですね。
車ごと吹っ飛ばされそうに思ったのが、帰りの中野坂上付近です。青梅街道と山手どおりの交差点で赤信号で先頭に停まったのですが、そのときは完全に暴風、体重100kgに達するかという私が乗っているにもかかわらず、車が浮きそうになるのです!!
コカコーラ・ゼロ
そんな中、横断歩道を歩くおばあさんを発見、まともに前に向かって歩けません。「だいたい、なんでこんな台風のときに外歩いてるんだよー」と思った瞬間、ばあさんは私の信号待ちで止まっているEKワゴンに向かって飛んできたのです。
車内は騒然、早く助けなければと思いEKのドアを開けようとしても暴風の威力でまったくドアが開かない!! ところが、ばあさんはこの嵐の中飛ぶように逃げていった……。いったいぜんたいばあさんは何者だったのだろうか…
まあ、そんな事件をかいくぐって三鷹に帰り、友人はコンビニ前で下ろしたわけです。友人は「ちょっと待ってろ」とか言って、待ってると「コカコーラ・ゼロ」を片手に持っているわけで、「これ、今日のお礼ね」とか言って、帰ってしまったのです…。
ちょっと、話が違うような気が…。たしか一杯おごるとか言ってたはずだ、などと思いながら貴賓室に帰りました。
帰宅難民
まあ、そんな風に今回も「帰宅難民」を1名救ったのですが、よくよく考えれば今回の「帰宅難民」はおかしいのです。自然災害だから「帰宅難民」発生するに決まっていると言われるかもしれませんが、台風15号と東日本大震災とはまったく異なります。つまり、予測可能か予測不可能かの違いです。
今回の台風15号は予測可能であった。台風の予測進路はテレビをはじめ数多くのマスコミで取り上げられていたはずです。前日、または当日の朝から「今夕台風、関東地方直撃」と報道していたではないか!!
単純に言って、出勤すれば、帰宅時は台風の直撃を受け、交通機関はマヒすることなんてミミズだって予測できただろう。それなのにそれなのにあーそれなのに出勤するなんておかしくないですか? 地震は、いつどこで起こるか皆目見当がつかない。しかし、台風は違うのです。十分予測可能なのです。
台風それたっていいじゃないか
「台風それたらどうするんだよー」などと文句も聞こえそうですが、それたらそれたで良かったじゃないですか。
会社など1日休んだだけで、世の中変わっちゃうの? まあそういう職種の人もいるかもしれませんが、殆どそんな人いないでしょう。流通だって1日配送遅れただけならいいじゃないですか。食料だって1日食べなくたって殆どの人は生きていけます。私だって我慢できます。
そんなにそこまで仕事が大事ですか? 日本人の悪い性格が現れていると思います。
以前2005年度BRAIN 通信67号でも書きましたが、100名以上の死者が出てしまったJR西日本の福知山線脱線事故。あれだって、1分でも遅れたら、乗客に文句を言われ、ひどい目に遭う…。そんな余裕のない人たちがJR西日本にギリギリの余裕のないダイヤを作らせて事故を誘発したと言っても過言ではないと思います。
「お休みです」って言えばいいじゃないか
たった1日のことです。「台風でお休みです」と会社は言えばいいのです。そうすれば帰宅難民などありえません。渋滞だって起こりません。逆にもっと大災害になってしまったらどうするんですか? あんな町中渋滞ばかりで、大事故が起こった場合、緊急車両など、まったく動かなくなってしまうんです。
そう言いながら日本橋まで往復している私の言うことなぞはまったく説得力ありませんが…。
一億総ヒステリー
今の日本は、不況もあるでしょうが、ちょっと何事にもきりきりし過ぎていませんか? 昔は大宅壮一によって「一億総白痴」と言われた日本人ですが、現代は「一億総ヒステリー」と言ってもいいかもしれません。
いよいよ受験まで半年をきってしまったBRAIN の受験生諸君たちも、焦ってばかりはいけません。しっかり地に足をつけて着実に実力をつけていきましょう。
BRAIN TRUST INFORMATION No.125