福島に行ってきました

ゴールデンウィークもあっという間に過ぎたとはいえ、まだ5月。それにしても晴れた日の気温は異常ですね。もう夏なんでしょうか? 地球温暖化を実感する今日この頃です。皆様いかがお過ごしのことでしょう。中高生の諸君は新学年になって初の定期試験の時期となりましたが、うまく乗り越えましたか?

福島に行ってきました

突然ですが、福島に行ってきました。前回のBTIで紹介した元BRAIN 教師佐野先生のお父様がお亡くなりになったのです。お年は82歳でした。原因は脳梗塞です。脳梗塞とは、ご存知でしょうが、脳内の血管が血の塊である血栓で詰まってしまい、その血管の先にある脳の部分に血液が行き渡らなくなり、脳細胞が死滅してしまう病気です。

最近治療薬、療法としてよく使われるのが、血液の固まりを溶かす療法としての「血栓溶解療法」です。「血栓溶解療法」とは、血管がつまった原因となった血栓を溶解する薬剤t-PA(プラスミノーゲン・アクチベータ)を静脈から投薬、つまり点滴ですね、それで詰まった血管を再開通させる治療法のことです。

両刃の剣

ただこの薬の使用にはリスクがあります。「血栓溶解薬」は発症後3時間以内に処方しなければいけません。血液の固まりが溶けなければ脳のその部位は必ず破壊されてしまうからです。少しでも可能性がある限り、脳の組織を壊したくないからです。さらに、血栓溶解療法により脳梗塞を起こした部分に大きな出血(脳出血)を生じる恐れもあります。難しいものです。血の塊を溶かす薬を入れたら大出血が起こってしまう可能性もある、まさに「両刃の剣」と言ってもいいでしょう。医療の難しさを感じる部分ですね。

佐野先生のお父さんの場合も、「血栓溶解療法」を行い脳出血を引き起こしてしまったということです。運のいいことに脳出血も小さく容態はかなり安定したのですが、肺炎にかかってしまいお亡くなりになったということです。ご冥福をお祈りします。

満席の新幹線

今回の福島行きは、急だったことと、私一人での行動であったことから、新幹線を利用しました。朝8時40分に第二教室を出発し、三鷹駅で指定券を購入し、東京駅を10時ごろ出発する新幹線を利用、指定席は1席を除きすべて満席でした…。

東北新幹線は、今回の大震災で開通はしたものの本数を減らしての臨時ダイヤで運行しています。そのため、どの列車も乗車率はかなり高いようです。問題なのは、福島から先です。佐野先生の家は福島から何駅か在来線に乗って先に行ったところにあります。まあいわゆるローカル線ですから1時間に1本程度しか走っていないのです。

接続列車計画

東海道・山陽新幹線ならば接続列車の心配はあまりしないで済みます。理由は簡単、新幹線が駅に到着する前に接続列車の発車時刻のアナウンスが必ず入るからです。名古屋駅で接続列車が30分待ちなら、ゆっくりきしめんを食べる計画を立てられます。新大阪で接続列車が30分待ちなら、ゆっくりたこ焼きを食べる計画を立てられます。岡山で接続列車が30分待ちなら、ゆっくりきび団子を食べる計画を立てられます。こんな計画が新幹線を降りる前に立てられるのです。

アナウンスくらいしろ

ところが、今回の東北新幹線は一切の接続列車のアナウンスはありません。震災でダイヤを変えての運行ですから、いつもに増してこういうアナウンスが欲しいのは当たり前。それにもかかわらずまったく無し。

現実に福島駅での接続列車の乗り換え時間はたった2分でした。この列車を逃すと1時間以上待たなければなりません。新幹線を降りるのに30秒はかかります。そして新幹線ホームから乗り継ぎ改札まで急いで1分、そこから在来線ホームまでダッシュで30秒。そんな乗り換え妊婦に出来ますか? 老人に出来ますか? デブに出来ますか? それを知らずに少しでものんびり歩いていたらあっという間に乗り遅れてしまいます。まったくJR東日本の不親切さには頭来ます。

旧国鉄体質のJR東日本

以前、夏の終わりに特急あずさに乗ったときも腹が立ちました。窓も開かない特急列車、温度調節もされていないようで、常に一定温度で設定していたのでしょう。時間がたつと、旅行者たちの体温で車内温度や湿度が上がってくるのです。こういうときは室温の微調整が必要ですが、クソJR東日本はお構いなく。クソ暑い車内のまんまです。特急を降りたときの外の涼しかったことといったら…。知り合いから通勤電車内の空調についても散々な話を聞いています。雨の日も晴れの日も変わらない。雨の日の蒸し暑さは、窓ガラスを割りたくなるくらいだ、とキレていました。

その点、JR東海の東海道新幹線はやっぱり温度の微調整をしているようで、いつ乗っても、満員でもがらがらでも快適に車内で過ごせます。以前からJR東日本は昔の国鉄体質を残しているようで嫌いだったのですが、やっぱりあんまり変わっていないJR東日本です。

普段の「おこない」がいい私

さて、そんな2分の乗換えを福島到着直前に東北新幹線車内にもかかわらず、携帯でわざわざ確認した私にとって、どうしても2分の乗り換えなんて不可能とあきらめていた頃、福島の別の友人からメールが来るわけです。「迎えに行ってやるよ」。やっぱり普段から「おこない」がいい私には、神様も味方をしてくれるんです。結局、新幹線内で東京駅の駅弁「炙り煮穴子重」を食べたにもかかわらず、迎えに来てくれた友人と昼飯のとんかつの大盛も食い、結局、佐野先生宅に到着は午後1時半でした。

車vs新幹線

佐野先生のお父さんに線香を上げ、少しばかり話をした後、友人に福島駅まで送ってもらいました。途中、普通の喫茶店に寄り、おいしいアイスコーヒーを飲んで感動しました。BRAIN に着いたのは夜7時、所要時間は新幹線を使って、行きは4時間、もし接続列車に乗り遅れたら5時間かかってしまったところです。

ところが、車だと片道3時間半で行けちゃうのです。でも車が速いのはここら辺までで、仙台になると新幹線がかなり速くなり、盛岡では車だと新幹線の倍はかかってしまうのです。東名高速も浜松くらいまでなら車のほうが速いです。高速道路もたいしたものです。こんな高速道路の代表選手の「東名高速」が全通したのが今から42年前の昭和44年の今日5月26日なんです。

決断力

交通手段の選択はいろいろ難しいのです。交通手段だけではありません。生死にかかわる治療方法の選択だってあるのです。世の中、そんな決断を迫られる選択は何回もあります。そんな決断を下すためには、情報と知識が必要です。そしてそれらをもとに考える力が要求されるのです。

受験生の皆さんは、受験が人生の選択の第一歩であるということを忘れないように、しっかり勉強していきましょう。

BRAIN TRUST INFORMATION  No.122

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