人間力を高めよう

寒いですね~。冬なので当然のことですが、この寒さの中、皆様いかがお過ごしのことでしょうか。受験も残すところ、都立高校と私立大学数校と国立大学になりました。受験生諸君には、最後の最後までしつかり頑張ってもらいたいと思います。頑張ろう!!

104年前の今日

世の中はこんなに頑張っている人間もいれば、片方ではとんでもないやつらが徘徊しています。そうです。沖縄米兵強姦事件です。まったく、厳罰ですよ。この報道を聞いているときに、何か記憶に引っかかることがあったので、いろいろ調べてみるとありましたありました。今から104年前の今日のことです。

プッチーニ万歳

最近はトリノ・オリンピックで荒川静香が金メダルを取りましたが、そのとき大ブレイクした「トゥーランドット」という曲を覚えていますか? このオペラはイタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニの最後の作品で未完成に終わったものです。

しかし、何と言っても彼のオペラで日本人にとって最もなじみが深い作品と言えば、プッチーニ6番目のオペラ、長崎を舞台とした「蝶々夫人」と言えるでしょう。その「蝶々夫人」が、イタリア、ミラノ・スカラ座で初演されたのが、ちょうど104年前の今日、2月17日のことでした。それでは「蝶々夫人」のあらすじを

1904年の長崎。ある家で結婚式が行われている。アメリカ海軍士官ピンカートンは、日本にいるほんの少しの間だけの結婚と軽く思い、没落士族の娘蝶々さんはこの結婚を永久の愛と堅く信じて…。

結婚から3年、任務が終わってアメリカに帰国してしまった夫ピンカートンを信じ、蝶々さんはピンカートンとの間にできた子供と一緒に、夫が日本に帰ってくるのを待ちわびている。しかし、夫ピンカートンは本国アメリカで正式な結婚をしていた。

そしてある日、ピンカートンの所属艦リンカーンが長崎に帰ってきた。家を花で飾り、自分達と子供を盛装させ、障子を通してピンカートンを待つ蝶々さん。夜が過ぎ、子供は眠ってしまう。蝶々さんは一睡もせずにピンカートンの帰りを待っている。

下女のスズキは憔悴した蝶々さんを休むよう説き伏せる。そこに帰ってくるピンカートン。一時の結婚として考えていたピンカートンは、蝶々さんの愛をスズキから聞き、狼狽してその場を逃げるように去る。目を覚ました蝶々さんは、ピンカートンと会えると思い目を輝かせて登場する。しかし蝶々さんが対面したのは、ピンカートンではなく彼の本国の妻ケイトだった。すべてを悟った蝶々さんはケイトに子供を渡すことを約束する。

そしてスズキに家の障子を全部閉めさせ一人きりになる。仏壇の前に座り、父の遺品の刀を取り出し、「名誉のために生けること、叶わざりし時は、名誉のために死なん」と自刃しようとするが、そこへ子供が走ってくる。蝶々さんは子供を抱きしめ感動のアリア「さよなら坊や」を歌い、ついに刀を自分の喉に突き立てる。子供に手を伸ばす蝶々さん。そこへ異変を聞きつけたピンカートンが戻ってくるが、とき既に遅く、蝶々さんは息絶える。

これは涙なしには見れません聴けません。私は個人的には涙、鼻水が止らなくなるほど切なく悲しい4作目の「ラ・ボエーム」が大好物なのですが…。

ちなみに、「蝶々夫人」の名盤はマリア・カラスが蝶々さんを歌い、カラヤン指揮ミラノ・スカラ座の1950年代初頭の古~い演奏がスーパーお勧めです。ついでに「ラ・ボエーム」はアルフレート・クラウスが主役を演じるレヴァイン指揮ナショナルフィルハーモニーが絶品です。

100年経っても変わらんな~

米兵強姦事件も、蝶々夫人も変わらないんじゃないですか??? 女性蔑視、女性軽視。軍人の横暴。まあ、アメリカ人だけじゃないと思いますが…。ついこの間もどこかの国、たしか「美しい国」とか言ってた国の大臣も「女性は産む機械」とか何とか言ってたようですし…。いつの世の中どこでも同じですよ。

フランスだって女性に選挙権が与えられたのは日本と同じ1945年ですよ。ヨーロッパの大国だって、決して早くから男女同権ではなかったんですよ。今も昔も女性を食い物にしているやつらは世界中あふれんばかりに存在しているのが事実なんです!!!

地位協定が何だ!!(怒)

このような現実の中、あの事件は起こりました。米兵が悪いに決まっている。町も市も県も国も国民もみんなぶちギレです。しかも日本の国内に「地位協定」なる治外法権を認める協定を持っている国が主権国家と言えますか? そんな怒りが湧いてくることも事実です。

しかし、一方でこの事件をしっかり検討していくと、『米兵だけが100%悪いのか』と疑問符がついてきます。事件は簡単に言うと、

「中2の女の子が夜8時30分頃米兵のたくさん集まってくる飲食店を出て、米兵に家まで送っていくと声をかけられ、送ってもらうことにしたら、強姦(?)された」ということです。

数々の疑問

疑問①:中2の女の子が親も同伴せずに夜8時過ぎに飲食店にいることが許されていたのか?
→私は親・店が非常識だと思います。周りにいた大人も非常識です。

疑問②:米兵は今までにも同じような事件を起こしていたのではないか?
→中2の本人も含め、周りにいた大人達に危機意識なかったことが問題です。

疑問③:見知らぬ男に軽く声をかけられただけでついていくのか?
→親の躾、危機意識のなさです。などなど。

結論として、周りの大人は何をやっていたんだ!!! と私は思います。周りにいた大人が、しっかり監督していなかったことがこの悲劇を産んだ一因といえると思います。さらに、一番大きな疑問は、なぜインタビューを受けた大人達は全員、米兵の非ばかりで、被害者や親に対して、また自分達大人に対して「考えが甘かった」と発言しないのか? でした。

もしそのような発言があってもテレビ局はカットしているでしょう。得てしてああいうインタビューは、あとあと問題になりそうなテレビ局の都合の悪いことはカットしますからね。現にネット上で少女を批判したサイトに「女性団体」が抗議のデモをするそうです。権利しか主張しない『人権』はいずれ滅びます。

人間力を高めよう

世の中、勉強さえできればいいんだ、とは一度も思ったことがありません。自分を守ることもできないで勉強できても意味ないでしょう。しかし、勉強を通していろいろなことを知り、理解できるようになり、『人間力』が向上することが非常に多いと言うことも事実です。

BRAIN の生徒には、しっかり学んで、あたりまえの常識を身に付け、そして権利と義務をわきまえた『人間力』を社会で思う存分発揮できるような人間になってもらいたいと思う今日この頃です。

BRAIN TRUST INFORMATION  No.86

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