新幹線で思うこと
やたら寒くなってきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしのことでしょう。
いよいよセンター試験は週末です。雪が降るかというほどの天気です。やっぱり受験には雪が似合うな~、なんてのんびり言ってる場合じゃありませんね。失礼しました。
大宰府に行ってきました
先月、九州は大宰府まで行ってきました。もちろん合格祈願です。まあ現実、大宰府に行ってもこの時期、道真公は全国的に忙しいようで、そう簡単にBRAIN までご利益を回してくれるかは微妙な線ではありますが…。こういう神頼みというものはいいものだと思います。
合格したいのなら、「どんな手を使っても合格したい」つまり「藁をもすがる」という気持ちを持たなきゃ本当じゃありません。必死さが合格への近道なんです。余裕で合格するほど世の中甘くない!!
四股ふんでるんじゃない!!
さて今回、大宰府には久々「のぞみ」で行ってまいりました。飛行機のほうが時間的に短くて楽なのですが、あの座席はきつくて苦しいものです。この間の沖縄行きは、窮屈すぎて何度も通路で屈伸運動しておりました。スチュワーデス(客室乗務員という言い方は嫌いなもので)からは四股ふんでるように見えたらしく焦っていました…。
それにしても、新幹線は速いです。あれは暴力的な速さです。よく開業以来、乗客の死亡事故が一度もおきなかったなー、などと考えてしまいました。そこで、このところ新幹線について数々の書物をあさっております。
昔の鉄道少年達
小学生のころ、わたくし鉄道少年でした。小3で「さくら」「みずほ」「はやぶさ」「富士」「あさかぜ」などすべての東京発の九州行き寝台特急の、停車駅と停車時刻、車両編成、牽引機関車などをすべて暗記しておりました。4年では、給食で出る牛乳キャップをみんなから集めて、その裏に東京から東海道本線、山陽本線、鹿児島本線、日豊本線の駅名を書き、それをつなげて鉄道路線図などを作っている小学生でした。
あるとき、それを見ていたクラスメイトが、浜名湖近辺の駅の順序が1箇所反対になっていることを発見したのです!! 彼も鉄道少年で、東京駅から名古屋、大阪、広島を通り日豊本線経由で西鹿児島駅まですべての駅を完全暗記していました。小4ですよ。ちなみに彼は一浪で東大法学部です。昔の小学生はいろいろと趣味のことは徹底暗記で、みんな一家言持っているようなやつらの集団でした。今じゃ考えられません。
「発想の転換」と「意志の強さ」
さて、JR東日本の会長山之内秀一郎氏著の「新幹線がなかったら」には感激しました。新幹線の誕生は、「発想の転換」「意志の強さ」の2つがキーポイントでしょう。
先頭の機関車が客車を引っ張るという今までの世界中の、そして日本の常識を覆した「電車」への変革。レールひとつをとっても、それまでは熱による膨張収縮を考えて25mのレールをつなぎ合わせていたのを、レールを溶接して1本1500mにしても、熱による膨張収縮はレールの先端部分に起こることを発見した実験。枕木も木からコンクリート製に。目視で確認していた信号を、運転席で確認し陸上信号機をなくしたATC装置など…
数え上げればキリがありません。このような「発想の転換」を支えていたのは、技術者達の強烈な「意志の強さ」です。
軍隊の技術者達
日本が戦争に負け、やっと主権を回復したのが1951年。その5年後の1956年、東海道新幹線建設計画がスタートします。翌1957年5月、戦後の色もまだまだ濃いこの時期に「超特急列車、東京~大阪3時間への可能性」というテーマで講演を開いたのが『鉄道技術研究所』です。この鉄道技術研究所が、多くは軍隊出身の技術者だったということをご存知でしょうか?
すばらしい高度な能力を、あの暗黒の戦争につぎ込まなければいけなかった不幸な1000人近くの軍隊の技術者・研究者たちは、自分達の能力を、鉄道の将来のために国鉄(今のJRですよ)や鉄道技術研究所に進みます。
日本の高度経済成長を支えたもの
常識にとらわれ「これからは車の時代、今ごろ鉄道なんて時代遅れ」「世界三大馬鹿」などと散々新幹線計画を嘲笑う「識者」と言われる偉そうな人たちに負けじと、彼らは自分たちの能力すべてを新幹線につぎ込んでいきます。頑固なまでの「意志の強さ」。それが「発想の転換」を生み出し新幹線は完成するのです。彼らは新幹線のために、そして日本の将来のために戦っていったのです。
そして1964年10月1日、東京オリンピック10日前に開業。日本の高度経済成長は、そのまま新幹線の歴史と符合します。もっと言えば、新幹線がなかったら、これほどまでの高度経済成長はなかったでしょう。そして、その高度経済成長を支えたのは、戦争でむなしく能力を空費した技術者たちの執念、「意志の強さ」だったのでしょう。
いよいよ受験
あと何日かで大学センター試験が始まります。そして、本格的な受験シーズン到来です。受験生の諸君はもちろん、これから何年か後に受験する生徒達に持ってもらいたいのは、「発想の転換」と「意志の強さ」です。この二つは不可分なものでしょう。
まずは、「勉強ができるようになりたい!!」という意志をもつことです。
実は、生徒たちはみんながそう思っています。なぜか? だって、テストが帰ってきたとき「あー」って思うでしょう。それは「いい点が取りたかったなー」という意志の表れじゃないですか。だから素直に「勉強ができるようになりたい!!」と思えばいいんです。
そして、その意志が強くなればなるほど、「どうしたら点数が取れるようになるか」と考え始めます。それが新たな発想を生む。「発想の転換」が始まるわけです。そして、その転換を確固たるものにするのが「意志の強さ」なんです。
私たち教師はそんな生徒たちを支えていく存在です。教師をどんどん積極的に利用しましょう。そして、BRAIN 全員で力を結集して受験に立ち向かっていきましょう。
BRAIN TRUST INFORMATION No.85