ひさびさ佐野画伯通信 No.5
BRAIN中学部部長 佐野新一
最近、BRAINで「疑惑の総合商社」と噂されているある不良教師の話を耳にしました。噂によれば、例の不良教師に現在7つもの疑惑が浮上しているというのです。7つの疑惑とは、以下の通りです。
その1 非国民疑惑 part1
昨年6月のことです。FIFAワールドカップにおいて、日本代表チームは1次リーグを突破し、見事に決勝トーナメントへ駒を進めました。そして、トーナメント1回戦。相手はトルコでした。ところで、あの時トルコを応援していた日本人がいたなんて信じられますか。実は、なんと我がBRAINに非国民が約1名いるらしい、との密告が入っていたのです。
その男は、代表メンバー22名から中村俊輔選手を外したトルシエ監督に不満を持ちながらも、じっと我慢して日本チームを応援していました。ところが、トルコ戦における監督の選手起用を見ているうちに、それまでの我慢が一気に限界に達し、ついにキレてしまいました。すると、どうでしょう。彼は何を思ったのか、突然トルコを応援し始めました。日本チームの敗北が決定した瞬間、日本国民が皆がっくりきている中で、BRAINにいた彼だけが唯一小さなガッツポーズをしたそうです。何という男でしょう。
その後、トルコは快進撃を続け、韓国にも勝ち、3位という輝かしい成績を収めました。そう、あの試合で日本が勝っていれば、3位決定戦で韓国対日本という夢のカードが実現する可能性だって残っていたのに。
彼は、BRAINにきて以来これまで何度か常軌を逸した問題行動を起こしていたため、不良教師のレッテルが貼られていました。ところが、近年のナショナリズムの高まりに伴い、彼を許しがたい非国民と呼ぶナショナリストが現れました。鈍感な彼もさすがに身の危険を感じるようになり、ついに祖国を捨ててトルコ亡命を決意。トルコ大使館で彼を見かけたとの怪情報も何件か寄せられているそうです。
その2 いきなりドボン疑惑
昨年8月、BRAINの広島・山口旅行でのことです。車で移動中のBRAIN一家の4人は、眠気覚ましに尻取りをすることにしました。スタートは大王、次が例の男でした。
「いきなりゾですか?うーむ、何だろう?」彼はしばらく考えた挙げ句、
「あっ、ゾウさん!」その瞬間、車内は割れんばかりの大爆笑。
「ハハハハ、いきなりドボーン!ハハハハ」車内の笑いは止まりません。
まだ一巡しないうちにゲーム・オーバーしてしまったのですから。このBRAIN尻取り最短記録は、今後破られることはないでしょう。
それにしても彼はあの時なぜ「ゾウ」と言えなかったのでしょう。何しろ彼は非国民と呼ばれるぐらいですから、実は日本の尻取りのルールを知らなかったのではないでしょうか。また、彼は幼少時に「ゾウさん」の歌が好きで、そればかり歌っていたことが判明しています。そのため、「ゾウ」には必ず「さん」をつけなければならないと今まで勝手に思い込んでいた可能性も否定できません。
その3 ただの酔払い疑惑
これも昨年8月のことです。普段山奥で暮らしている例の男が、BRAIN夏期講習の合い間を縫って青梅市水泳大会に出場していたとの情報がBRAINに寄せられました。それによると、彼は何も考えずに「只野 酔払(年齢20歳)」の名で競泳2種目にエントリーしました。彼にとってはレースなどどうでもよく、頭の中には、大会終了後に河原で行われる酒飲み放題のバーベキュー・パーティーのことしかなかったようです。
さてレース当日、いよいよスタート台に立った彼は突然青ざめました。場内アナウンスで「4コース、ただの酔払い選手」とフルネームで紹介されただけでなく、競争相手が皆本物の20歳だったのですから。もちろん場内には、どよめきが起こりました。その後のレース展開については、言うまでもありませんね。
本人は「やはり本物の20歳は速いね。」と涼しい顔でレースを振り返っていますが、4コースの選手だけが大幅に遅れてビリという前代未聞のレースに場内は大ブーイング。おまけに、レース終了後の抜き打ちドーピング検査で彼の体内から大量のアルコールが検出されたため、彼の今後の選手生命は危機にさらされているそうです。
その4 朝のJR疑惑
JR中央線の朝のラッシュは大変ですね。なぜ、あれほど混雑するのでしょう。実は、「朝のラッシュ時に絶対いるはずのない不審者」が原因の一つではないか、との疑惑が浮上してきました。
そう、すぐさま思い浮かぶのは例の男です。仕事熱心で有名(?)な彼は徹夜でBRAINの仕事に励み、よく始発で帰ります。仕事の内容は不明ですが、それはともかく、彼は三鷹駅で高尾行きの始発列車に乗るとすぐに眠ってしまいます。無事に立川で乗り換えて一発で青梅に辿り着くのが普通ですが、彼にはそれがなかなかできないらしいのです。
彼が目を覚ますと、なぜか上り列車に乗っているのはよくあることで、何ら驚きはありません。彼が「ここはどこ?私は誰?」と口にするのを我々はこれまで何度耳にしたことでしょう。東京駅や高尾駅、さらには奥多摩駅で気がつくことも珍しくありません。もし酒臭い男が朝の満員電車で寝ていたら、周りの乗客はたまったものではありませんね。運悪く隣の席に座ってしまったら悲劇です。
ちなみに、彼は朝4時40分の始発に乗れば6時前には帰宅できるはずです。ところが、ある日泥酔状態で始発に乗り込んだ結果、気がつくと青梅到着が午前11時になっていたそうです。彼が作ったこのBRAIN最長記録はいまだに破られていません。今後誰かが破るとすれば、彼の自己新記録以外に考えられでしょう。それにしてもJR中央線や青梅線を自分の寝床にしてしまうなんて、いったい彼は何人の乗客に迷惑をかければ気が済むのでしょうか。
その5 隠れ喫煙疑惑
昨年10月のことです。肺を鍛えることを生き甲斐とする例の男は、「今度の誕生日から煙草をやめます。」と当時の中1クラスで禁煙宣言しました。ところがどうでしょう。生徒の前でこそ吸わないものの、隠れてこっそり吸っているのではないか、との疑惑が最近になってBRAINで浮上しました。
彼はもともと自分の母親の目の前では喫煙できず、つい最近まで母親に隠れて煙草を吸っていたとの情報もあり、実はマザコンではないかとの疑いが持たれていました。したがって、いつもの習慣がうっかり出てしまったのだ、とみる人もいるようです。本人は容疑を全面的に否認していますが、真相は不明です。
その6 非国民疑惑 part2
今年に入ってから、例の男がBRAINの大王を悩ませ続けている、との疑惑が浮上しています。彼は、大王と交わした重要な約束をことごとく破ってしまうのだそうです。その裏切り行為は余りにひどすぎるため、公表されれば反響の大きさは計り知れません。大混乱を恐れた大王は、今のところ内容の公表を躊躇しています。深く傷ついた大王は粘り強くその原因を突き止め、次のように結論づけました。
あの男は20歳を超えてから酒が弱くなり、酒の席での話をことごとく忘れてしまう。いや、それどころか酒の席での話など、話じゃないとさえ思っている。彼が今後日本人として生きていくのはもはや絶望的だ。そう、彼のような非国民は将来バルカン半島あたりで生きていくのがよかろう。
こうして非国民はいつの間にかセルビア人にされてしまい、以来、BRAINの火薬庫ノミスギルト=キオクトビッチと呼ばれるようになったそうです。
その7 悪魔のパフェ疑惑
今年4月、新たな疑惑が浮上しました。BRAINの大王のダイエットが一向に進まないのは、例の男の「甘い誘惑」のせいではないか、というのです。
ある寒い日の夜中のことです。彼は、仕事でへとへとに疲れている大王と英語のN先生をわざわざ青梅まで呼び寄せ、まず空腹の2人を中華料理屋に誘いました。確かに店の料理は美味しいのですが、彼はダイエット中の大王に無理やり大盛りを注文させ、強引にもビールまで飲ませようとしたそうです。もちろん、車を運転しなければならない大王は断りました。すると彼は「ビールがだめなら、代わりにデザートを食べに行くしかない。」と言い出しました。疲労のため少し甘い物を欲していた大王とN先生は、うっかり同意してしまいました。
その後、彼らが入ったのはファミリーレストラン。もう深夜1時です。こんな時間に大の男3人がそろって苺パフェを食べている姿を想像してみてください。ゲッ!適量で美味しければまだいいのですが、そうはいきませんでした。それはいくら食べてもなかなか減らず、食べているうちにだんだん気持ち悪くなってくる巨大なパフェで、その名も「ストロベリー・デビルズ・サンデー」。全部食べきれずに残してしまった場合、店内のギャルをナンパするという罰ゲームが待っています。
もしもギャルをナンパすることになって、それが妻に知られたら大変です。最悪の事態を恐れた大王は、悪魔のパフェを必死の思いで残らず食べました。したがって、ダイエットどころか逆に体重を大幅に増やしてしまいました。一方、BRAIN唯一の紳士と思われたN先生は、悪魔のパフェと激闘の末、ついにキレて不良教師になってしまいました。また、彼自身も食べているうちに気分が悪くなり、すべて食べ終わると力尽きて気絶してしまいました。諸悪の根源は、やはり彼です。
そんな彼を大王はBRAINの悪魔と呼ぶことにしました。自分のダイエット計画を狂わされたばかりか、N先生まで不良教師にされてしまったのですから。このままではBRAINは不良教師軍団になってしまいます。大王は、一連の出来事を中2クラスで涙ながらに訴えました。今、大王に同情する中2クラスでは、彼に対する激しいブーイングが吹き荒れているそうです。
いかがでしょう。凄まじいですね。ちなみに、例の男は記憶にないことを理由に以上の疑惑をすべて否定しているそうです。しかし、すべてが捏造とは考えにくいので、事実もほんの少しだけあると見ていいのではないでしょうか。ただ、驚くべき見方をする人もいるようです。すべて事実ではないか、と。事態を重く見た大王は、早速BRAIN疑惑調査委員会を設立し、本格的な調査を開始しました。メンバーは中原、横山、野口、山本、蓬田の5氏に決定しました。理由はわかりませんが、筆者(佐野)はメンバーから外されることになりました。
BRAIN TRUST INFORMATION No.54