若いっていいな

大学センター試験、中学入試が終わり、いよいよ明日から高校入試に突入という今日この頃、皆さんいかがお過ごしのことでしょう。受験生諸君には最後の最後まで力を振り絞って、諦めることなく、頑張ってもらいたいものです。
さて、今日はある受験生のお話です。彼は、今ちょうど20歳です。その彼は、今年の受験です。浪人してないのですが……。いろいろ訳があります。

C君の話

彼―仮にC君としておきましょう―は、高校受験で早稲田大学高等学院を受験、1次試験までは合格です。残念ながら、2次試験で不合格となり、中大附属に入学しました。正直言って、私が見た生徒の中でも、抜群の数学力を持ち、数学ならどの学校でも高得点は固い男でした。不安は、残る英語・国語です。早稲田は2科目できないと、やはり合格はできませんね。中附に入り、C君の迷走が始まります。

「中附は第1志望ではなかった、せっかく早高院1次まで合格したのに…」

こんな気持ちだったのでしょう、やる気をなくし、BRAIN から去っていきました。次にC君と会ったのは、この年の終わりごろだったと思います。

C君の心の傷

「都立高校に編入したい」それが、C君の希望でした。この望みを現実のものとするために、C君の家まで教えに行きました。編入試験まで、週に2~4回は行きました。そして、試験日、点数は取れたとは思いますが、欠席、遅刻の回数が響いたのでしょう、不合格です。中附がいやになっての編入試験です。欠席・遅刻が多くて当たり前といえば当たり前ですが。

せっかく中附にまで入れたのに、何わがまま言ってるんだ、などと思う方もいらっしゃるでしょう。そりゃそうですね。中附に入る事だって、早高院の次ぐらいに難しいことなんですから。しかし、C君の早高院不合格の心の傷は1年近くたっても癒えていなかったんです。C君の心の傷を作ってしまった私は、何とか立ち直ってもらいたい、そのためなら何でもしようという気持ちでした。

C君からのお誘い

しかし、それ以来C君とは音信不通です。結局、私は二度ともC君を救うことができなかったんです。風の便りで、中附をやめて、働いているということを聞きました。つらいですよ、本当に…。

そのC君から、成人式を迎えた今年に入って、人づてに、今度飲もうという話があったのです。3年か4年はたっているでしょう。話だと、大検を通って今年大学受験とのこと。

うれしかったなぁ~。やっと心の傷を治してくれたんだなと思い、しかも、その原因を作った私と飲みたいというんですよ。おごってやろう。

若いっていいなー

と思いました。本人がその気になればいくらでもやり直せるからです。私などは、もうやり直しなどできません。そんな気力もありませんし、そんな気力はとうの昔に使い果たしてしまいました。

リストラされて、会社を首になり、自殺する中年。彼らだって、必死で働いて、気力も何も残っていなかったんでしょう。彼らの気持ちはよくわかります。私だってBRAIN がなくなったら、首をくくることしかできないでしょう。

あ~あ、年寄りはいやだなあ~、などと思いながら、飲み会の日を心待ちにしています。

受験の神様は見ています

今年の受験生諸君も、成功あり、また失敗もあったでしょう。でも、受験の神様は見ています。失敗したっていうことは、これから先、頑張ればもっといいことがあると神様が思ったからそうさせたんでしょう。成功した人は成功した人で、神様が、「ここでしっかり頑張りなさい」と言ってるのでしょう。そう思って、力をますます伸ばしてください。

さて、これから受験の生徒諸君、失敗を恐れず、正々堂々と戦ってください。あとは、受験の神様に任せましょう。みんな頑張ってね。

BRAIN TRUST INFORMATION  No.53

前の記事

大学改革案 No.2

次の記事

いい塾にしたい